ハムスターの毛包虫症

背中の毛が薄いということで来院された11ヶ月の男の子のハムスターです。

 皮膚を痒がる様子もないのですが、腰の部分の毛が抜けてしまっています。

毛を数本抜かせてもらい顕微鏡で検査を行うと次のようなものが検出されました。

中央で動いている細長いものはニキビダニという毛穴に住むダニの一種です。 このダニは健康なハムスターの皮膚にも存在していて、本来は悪さをせずに共存しているのですが、何らかの原因でその共存関係が崩れると今回の子のように脱毛という症状が認められるようになります。共存関係が崩れる原因としてはストレス、慢性感染症、栄養不良、内臓疾患など様々な原因による皮膚の免疫機能の低下が考えられます。

ニキビダニ症の治療では殺ダニ剤の投与と基礎疾患(免疫力を低下させる原因となる病気)の治療を行います。基礎疾患の治療を行うためには理想的には詳しい検査が必要なのですが、現実的にハムスターのような小型の動物では血液検査をするだけでも体に大きな負担がかかるため、検査には限界があります。また、殺ダニ剤も強い副作用が現れる可能性があるので慎重に使用する必要があります。

今回の子は元気や食欲もあり飼育環境も清潔に保たれていたのですがフードの好き嫌いが多く肥満傾向であったため、まずは食生活の改善と殺ダニ剤の投与により治療を行いました。


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病院名は院長が初めて飼った犬で、獣医を志すきっかけともなったジョン君から名前をもらいました。 純粋に動物のことが好きで獣医に憧れた初心を忘れず、動物と飼主様が共に幸せに過ごしていけるお手伝いをしていきたいと考えております。

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