犬の僧帽弁閉鎖不全症
先日もうちのチヒロの病気として取り上げましたが、同じ病気についての紹介です。
9歳のチワワの女の子で、咳や疲れやすい(運動不耐性、易疲労性)といった心臓病を疑う症状は認められませんでしたが、聴診をすると心雑音が聴取されました。
チヒロと同じように一通りの心臓の検査を行い、僧帽弁閉鎖不全症と診断してお薬による治療を開始しました。 この僧帽弁閉鎖不全症は人間の弁膜症と似た病気で、中高齢の小型犬に非常に多く認められます。 僧帽弁閉鎖不全症の治療法には外科療法(手術)と内科療法(内服薬)があり、近年は手術による治療も増えてきましたが、多くのワンちゃんは内科療法によって症状の進行を抑える治療が行われます。
今回のワンちゃんも投薬治療を選択して、今回はその1ヶ月後の検診にいらっしゃいました。
こちらが初診時の超音波画像です。 緑やオレンジ色が混ざった部分が逆流した血液と本来の正しい向きに流れる血液の流れが衝突している部分です。
こちらがお薬を飲んで1ヶ月後の同じ部分の超音波画像です。
一目見ただけで逆流の範囲が減っていることがわかります。
他の検査所見も改善していることが確認されたので、この子は同じ治療を続けていくことになりました。 上でも述べたように内服薬は心臓を治すのではなく、心臓に負担をかけないようにして病気の進行を遅らせるのが目的なので薬は長期間(基本的には一生)続ける必要がありますが、上手くコントロールをとることができれば長期間にわたり健康な子と同じような生活をおくることが可能です。
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