SFTSから愛犬・愛猫、そして私たちを守るために
近年、報告が増加しているSFTS(重症熱性血小板減少症候群)。この感染症について、ペットを飼う皆さんに知っておいていただきたい重要な情報をお伝えします。
SFTSとは何か?
SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)は、SFTSウイルスによって引き起こされる感染症です。主な症状として高熱、血小板減少、消化器症状などがあり、重篤な場合は命に関わることもある疾患です。
最も重要な特徴は、**SFTSはズーノーシス(人獣共通感染症)**であるということです。つまり、動物と人間の間で相互に感染する可能性がある感染症なのです。
犬や猫もSFTSにかかります
動物がSFTSに感染すると、以下のような症状が現れることがあります:
- 発熱
- 食欲不振
- 元気消失
- 嘔吐・下痢
- 黄疸
これらの症状は他の疾患でも見られるため、診断が困難な場合もあります。
人間への感染経路:ペットから人への感染
SFTSの感染経路として特に注意が必要なのは次の2点があります。一つはSFTSウイルスを保有しているダニに噛まれることで、もう一つはSFTSウイルスに感染した犬や猫の体液を介した感染です。感染したペットの血液や体液に接触することで、人間にウイルスが伝播する可能性があります。
これまでに報告された事例では、SFTSに感染した犬や猫を介護していた飼い主さんが感染するケースが確認されています。愛するペットのお世話をする際も、適切な予防策が必要です。
ダニ予防が最も効果的な対策
SFTSウイルスは主にマダニによって媒介されます。そのため、最も重要な予防策は徹底したダニ予防です。
ダニ予防の実施期間
ダニは気温が上がる春から活動を始め、秋まで活発に活動します。そのため、3月から12月頃までダニ予防を継続することが推奨されます。
地域によっては冬期間でも活動するマダニもいるため、生活環境によっては年間を通じた予防を検討することも大切です。
効果的なダニ予防方法
- ダニ駆除薬の定期使用
- 月1回の投与タイプ
- 3ヶ月効果持続タイプ
- 首輪タイプなど、様々な選択肢があります
- 散歩コースの見直し
- 草むらや山道を避ける
- ダニが多い環境への立ち入りを控える
- 散歩後のチェック
- 被毛の中にダニが付いていないか確認
- 早期発見・除去が重要
動物病院受診前のお願い
動物病院で働くスタッフの安全を守るため、また院内感染を防ぐために、病院をご利用いただく前には必ずダニ予防を実施していただくよう、お願いいたします。
これは以下の理由からです:
- 獣医師・看護師の安全確保
- 他の患者様への感染拡大防止
- 院内環境の安全維持
特に発熱や元気消失などの症状がある場合は、受診前に必ず電話でご相談ください。適切な感染予防策を講じた上で診療を行います。
まとめ
SFTSは人と動物の両方に影響する重要な感染症です。しかし、適切なダニ予防を行うことで、リスクを大幅に減らすことができます。
愛するペットと私たち自身の健康を守るために:
✓ 年間を通じたダニ予防の実施 ✓ 定期的な獣医師との相談 ✓ 症状が出た場合の迅速な対応 ✓ 病院受診前のダニ予防確認
これらを心がけて、安全で楽しいペットライフを送りましょう。
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