犬のアトピー性皮膚炎
3歳のシーズーの男の子です。皮膚の痒みを主訴に来院されました。
若いワンちゃんで比較的強い痒みを生じる病気としてはアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、寄生虫や細菌の感染症などがあります。 検査結果やこれまでの治療歴から今回のワンちゃんの痒みの原因としてはアトピー性皮膚炎単独、もしくはアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの併発が疑われました。
アトピー性皮膚炎はその子の持って生まれた”体質”によるものなのでお薬を飲めば治るようなものではなく、総合的な皮膚のケアが必要となります。
今回のワンちゃんも内服薬の治とあわせて外用薬とシャンプー療法によるスキンケア、療法食による治療を行いました。
最初が初診時、次が2週間後の写真です。
1)顔
目の周りの毛はほとんど抜けてしまっていて皮膚も分厚く黒ずんでしまっています。
2週間で見違えるほど毛が生えてきて、赤くなっていた鼻の周りの皮膚もきれいになっています。
2)脇
強いかゆみのせいで掻きむしっていたため、皮膚が真っ赤になって多くのひっかき傷があります。
2週間後は毛も生えてきて、ひっかき傷も治っています。
3)足首
足首も真っ赤になっていてほとんど毛が抜けてしまっています。
赤みも減って毛が生えてきています。
今回のワンちゃんは治療に対する反応も良く2週間でかなり改善が認められましたが、皮膚病の治療は長期間続くためお薬のあげ方やスキンケアの方法などもその時の状態に応じて調整していかなければなりません。
また、実際に治療を考える上で、優れた治療法だったとしても時間的・費用的に非現実的なものもあります。 例えば治療の初期は週2回のシャンプー療法をおすすめしますが、ワンちゃんがシャンプーを非常に嫌がってしまう場合や共働きなどでどうしても週に2回のシャンプーは困難なことがあります。 このように治療法はその子ごと、ご家庭ごとに相談しながら決めていくことになります。
皮膚病の治療でお困りの方は病院までご相談ください。
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