インスリンから離脱できた糖尿病の猫について

糖尿病はぽっちゃりの猫ちゃんに多く見られる病気で、うまくコントロールできないと命に関わることもある恐ろしい病気です。

多くの場合、糖尿病の治療にはインスリンの投与が必要となりますが、ここ数年でインスリンの投与をしなくてもコントロールできるようになった子を経験しました。

フルクトサミンという糖尿病のモニターに使う検査値の変動のグラフです。

フルクトサミンの値は191~349の範囲が基準値とされていますが、最初は2症例とも500を超えていました。

2症例とも糖尿病と診断してすぐにインスリン治療を開始しました。治療をしていくと半年程度で基準値の範囲内に収まってきましたが、基準値に入ったからと言っても糖尿病が治ったわけではありません。

その後もフルクトサミンを始め、体重の変動や自宅での飲水量などを総合的に判断しながらインスリンの量を調整していき、それぞれ治療開始から約3年と2年が経過した時点でインスリン注射を中止してみましたが、2症例とも糖尿病の再発もなく元気に過ごしてくれています。

糖尿病と聞くと一生インスリンが必要なイメージがありますが、猫ちゃんの場合は早期発見をして治療を開始するとインスリンから離脱できる例もあります。

ぽっちゃりな猫ちゃんは適正体重へのダイエットが一番の予防ですが、ダイエットと同時に飲水量や尿量をよく見ていただき、少しでもおかしいと感じたら早めの受診をおすすめします。

なお、すべての猫ちゃんがインスリン注射から離脱できるわけではありません。また、猫ちゃんと異なりワンちゃんの糖尿病を管理するためには一生涯に渡るインスリン注射が必要です。


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